「海外の送り出し機関と提携して人材を紹介したい」「国外にいる特定技能人材を企業へ紹介したいけれど、どのような手続きが必要なのだろう」と悩まれる事業者様も少なくありません。
海外在住の特定技能人材を紹介する場合には、通常の職業紹介事業とは異なる手続きが必要になります。
今回は、「国外にわたる職業紹介」の概要や必要な手続きについて、分かりやすく解説いたします。
通常の職業紹介
登録支援機関の場合
登録支援機関として登録を受けていても、外国人材を企業へ紹介するためには、別途「有料職業紹介事業」または「無料職業紹介事業」の許可が必要です。
監理団体の場合
監理団体の許可を受けていても、特定技能人材の職業紹介を行う場合には、別途職業紹介事業の許可が必要になります。また、特定技能外国人に対する支援業務も行う場合には、登録支援機関としての登録も必要です。
海外在住の特定技能人材を紹介する場合
海外に居住している特定技能人材を日本企業へ紹介する場合は、通常の職業紹介事業許可に加え、「国外にわたる職業紹介」の届出を管轄の労働局へ行います。
この手続きが認められると、取扱地域を次のように変更することができます。
【例】 国内・ベトナム・インドネシア・ネパール
国外にわたる職業紹介の主な許可基準
「国外にわたる職業紹介」を行うためには、次のような基準を満たす必要があります。
- 届出した国以外を対象として職業紹介を行わないこと
- 日本の入管法および相手国の法令を遵守すること
- 求職者への渡航費等の貸付けを前提とした職業紹介を行わないこと
- 不当な保証金や違約金を求める取次機関を利用しないこと
- 求職者が不当な契約を締結していることを認識しながら職業紹介を行わないこと
労働局へ提出する主な書類
提出書類
- 有料・無料職業紹介事業取扱職種範囲等届出書(様式第6号)
- 取次機関に関する申告書(様式第10号) ※取次機関を利用する場合のみ
添付書類
- 相手国の関係法令の原文および日本語訳
- 取次機関の許可証・登録証等および日本語訳
- 取次機関との業務分担契約書および日本語訳
なお、これらの資料は取次機関(送り出し機関)に依頼することで準備してもらえるケースも少なくありません。
手続き後も届出が必要なケースがあります
「国外にわたる職業紹介」の届出は、一度行えば終わりではありません。
次のような変更が生じた場合は届出が必要です。
- 新たな国を追加する場合
- 取次機関を追加する場合
- 取次機関を変更する場合
- 取次機関を廃止する場合
たとえば、すでにベトナムの送り出し機関Aについて届出をしていても、新たにベトナムの送り出し機関Bを利用する場合には、改めて届出が必要になります。
届出期限は、変更が生じた日の翌日から10日以内です。
在留資格認定証明書交付申請(COE)との関係
海外から特定技能人材を受け入れる場合の「在留資格認定証明書交付申請」では、「国外にわたる職業紹介」の手続きが完了していることを示す資料の提出が求められます。
一般的には、
- 有料職業紹介事業許可証の写し
- 人材サービス総合サイトの掲載情報
などを提出します。
最後に
「国外にわたる職業紹介」は、通常の職業紹介事業よりも確認事項や提出書類が多く、送り出し機関との契約内容や相手国の法令確認も必要になります。
また、届出漏れや虚偽の届出があると、行政指導や行政処分の対象となる可能性があります。
海外から特定技能人材の採用を検討されている企業様や人材事業者様は、事前に十分な準備を行い、適切な手続きを進めることが大切です。
当事務所では、特定技能外国人に関する「在留資格手続」や「登録支援機関の登録申請・運営サポート」などのご相談を承っております。一方で、「国外にわたる職業紹介」に関する労働局への届出手続は行政書士の業務対象外となりますので、手続きの詳細につきましては管轄の労働局へお問い合わせください。
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